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楽曲コピーのススメ

今日のテーマは楽曲コピーのススメです。

最近の傾向として、機材やネットの進化によって、音を採ること自体は容易になっています。しかし、その分深く聴く、ということがされにくくなったため、個性が成長しにくい、小手先の演奏技術は伸びても、音楽の本質的な部分が成長しにくい、という状況があるようです。

音程やリズムを把握することは、ゴールではありません。

そこがスタートラインなのです。

スタートラインに立つまでは効率よく、この便利すぎるほど便利な時代の恩恵に感謝しつつ、駆使していきましょう。コピーに役立つフリーソフトなどもご紹介します。

そしてそこから先は、もはや効率など関係ありません。

プレイのニュアンスからアーティストの心情、そこに描かれた情景を汲み取り、自分の表現力の中に取り込んでいきましょう。偉大なプレイヤーの音楽に深く触れることが、なによりも自分の成長につながります。本質にどこまで迫れるかは、職人の世界です。

その上で、効率的かつ確実に弾けるようになるコピーの仕方を伝授します。

コピーのポイント

・コピーしたい楽曲を、メロディが自然に歌えるようになるまで聴く。

完全に身体に入るまで、口ずさんだりせず、聴くことに集中しましょう。(もちろん楽しく口ずさんでもいいのですが正確なメロディを覚えられない可能性があります。)

・譜面を書いて、楽曲の初めから終わりまでの小節数を把握する。

譜面というと抵抗を感じる方もいらっしゃいますが、簡単なメモ書きでも構いません。
コピーに使用しやすい譜面データをシェアしておきます。
よろしければダウンロードしてご活用ください。

まずは全体のセクションの構造を把握して書き出しましょう。
例(イントロ−Aメロ−Bメロ−サビ−ソロ)
そして楽曲を聴きながらセクションごとの小節数を数えて、譜面に記入していきます。

・セクションごとのコード進行を把握する。

セクション単位でコードを聞き取っていきます。コード進行が聞き取れない段階では、市販のスコアや、楽器.meなどのサイトで確認してもいいでしょう。しかしそこには小節数などの情報がありませんので、何小節あるのか、自分で数えて譜面に記入ましょう。

・フレーズやハーモニーを分析する。

セクションごとに、聴き取れるまで何度も何度も繰り返し聴いてみましょう。どうしてもそのフレーズが早くて聞き取れない場合は、PCやMacなどを持っていれば Audacity などフリーソフトを使用して、速度を落として音を採りましょう。

ファイルを開く→エフェクト→テンポの変更→数値入力(−30%程度で充分でしょう)

・フレーズの「練習」をする。

各セクションのメロディやリフが聴き取れたら、セクションごとに弾けるまで練習しましょう。ここからは楽器の練習になります。納得がいくまで、アーティストのプレイと比べてなにが違うのか、集中して演奏を聴いてニュアンスを感じとってください。

・楽曲を「演奏」する。

各セクションがうまく弾けるようになったら、全体を通して演奏してみましょう。
演奏中はミスをしてしまっても、演奏を止めてはいけません。
本番でミスをしても、演奏は止まってくれないからです。

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非常に重要なことですが「フレーズの練習」「演奏の練習」はまったく違います。

当たり前のようですが、演奏とは「音楽を奏でること」です。

音楽は時間芸術です。

時間は不可逆です。決して遡ることはできません。

悠大なる大河のごとく流れる時間の中に、音を生み出し、あるいは音を消しながら、感動を生み出す芸術です。

その瞬間のために、音楽家は真剣に練習をします。

楽曲でいえば5分に満たないこともあるでしょう。しかし、その瞬間のためにどれだけの熱量と情熱を練習に注ぐことができるか。そこに音楽家の真価が問われると思います。

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いかがでしたか?

一見大変そうですが、実際やってみると、驚くほど効率が上がり、その分の時間を本当のコピーに充てられるようになると思います。ぜひお試しあれ。

より詳しく具体的に知りたい方は、レッスンへ遊びにいらしてください。

ともあれ、自分の好きな楽曲の持つ感動を、自分で演奏して得られることは大きな喜びになります。

音楽を楽しみながら、より深く大きな喜びを感じられるようになっていけるといいですね。

それではごきげんよう。

カテゴリー: TAG music school

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