どうも、神田研司です。
岩井俊二監督「リップヴァンウィンクルの花嫁」を観ました。
↑音出ます。注意。(本当にやめて欲しい。時代遅れ過ぎ)
上映時間なんと180分。
いまどきこんな長編も珍しいですね。2016年上映ですから昨年の作品です。しかし、世界観を描き切るためにも、現実感から離れて没入させるためにも必要だったのでしょう。
内容は、完全に岩井俊二ワールドです。純粋さの持つ残酷さと、永遠性に包まれた、儚く美しい現代のおとぎ話。
なにより印象に残ったのは、主演の黒木華(華=はる、って読むの知ってました?)さんの声です。
その美しさは語るまでもないですが、その演技力、表現力、なにより声のコントロールが卓抜しており、主人公のキャラクターを完全に表現しきっています。
不思議な感覚になるのは、鈴木杏さんや蒼井優さんよりも年下である黒木華さんが、彼女たちより歳を重ねた時代の姿を演じていることです。
岩井俊二監督の世界は、永遠の憧憬の世界です。
その岩井俊二ワールドの時計の針が少しだけ進んでいるので、そのような印象になっているのでしょう。
そのあたりが、3.11を経た後の世界の変化、つまり永遠性の中にとどまっていられなくなった部分、と言えるのかもしれません。
こういう長編映画を鑑賞する余裕や豊かさは、たしかに失われてきているようにも感じます。
かなり長い映画ではありますが、映像も音楽も美しく、良い作品だと思います。
それではごきげんよう。
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