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カテゴリー: TAG music school

ルーツに触れることの意味

 

どうも、神田研司です。

 

突き抜けるような空は、まるで地球に開いた窓のように、そして強く吹く風は、街中の空気を入れ替えるかのようでしたね。

だんだんと、冬の星座に見合った空気になってきました。

 

音楽をやっていると「好きなアーティストのルーツを探るのが大切」という話をされることがよくあります。

素朴な疑問が浮かびませんか?

なんで大事なのでしょう?

なんとなく大事そうなのはわかる気がしますが、なぜなのか?と言われたらうまく説明できないかもしれません。

音像も時代によって違いますし、ギターで言えば、それこそブルースのルーツを遡っていったら、それまでそんなに音楽を聴いてこなかった方にはとても聴いていられないくらい、アクの強いものがたくさんあるのも事実です。

 

では、なんでなのか?

好きなアーティストだけ聴いていればいいのでは?(それも正しいと思います。)

 

しかし、それでもルーツを辿ってみることは価値があると考えます。

それは、そこに必ず「発見」があるからです。

 

ルーツになっているアーティストの作品を聴くと、ほぼ必ずと言っていいくらい、元ネタになっている曲があります。

それこそオマージュなのか、パクリなのか、わからないくらいそっくりなものもあったりします。

その意味ではガッカリすることもあるかもしれませんが、そこから得られるものは、実は、より本質的な自分の嗜好なんですね。

元ネタになった曲が、大して心に響かない場合もあるでしょう。むしろ、そちらに夢中になってしまうかもしれません。

どちらにせよ、現在という地点から歴史的な時間軸を遡り、音楽の変遷に触れることになります。すると、一体その楽曲のどの部分が自分の心に響いたのか、より明確になるのです。

そうした「発見」が、ミュージシャンとしての個性という輪郭をはっきりさせていくことに繋がります。

同時に、歴史の積み重ねの中から、人間の心の琴線に触れる普遍性を見出すことができます。時代によって移り変わる部分、変わらない部分、それがだんだんと見えてきます。

 

しかし、いくら名盤と言われているからといって、必ずしも良いと思う必要はないんです。

その時はイマイチに感じても、数年後聴いたら良く感じるかもしれないし、やっぱりダメかもしれない。

 

そんなことよりも、自分の感性で感じた印象に正直でいることがなにより大切です。

こと芸術に関しては、正解を求めること、間違いを恐れること、このふたつほど怖いものはありません。

 

良し悪しは、自分の判断。

 

聴いた上でなら、どう感じるかは自由ですからね。(無論、聴いてもいないのに批評するのは論外です。)

文化を創造してきてくださった先人へのリスペクトを持つことは大前提として、あまり堅苦しく考えず、まずは触れてみるのが一番です。

名盤と言えど、ほとんどは過去のヒットソングです。であれば、今気に入っている音楽がそうなる可能性もあるのですから、構える必要はありません。

 

それではごきげんよう。

 

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